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2012年8月7日火曜日

売れたま!特別編Vol.177 2012/08/06 夏休み特別号:密着軸の経営戦略 10

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 ■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■ 
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.177 2012/08/06
購読者:27,534 (まぐまぐ:16,598 メルマ!:956 めろんぱん:9,980)

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 ■■■■__夏休み特別号:密着軸の経営戦略 10__■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●密着軸の3ステップ、ステップ1は「個別ニーズを引き出す」。
 「顧客情報の整備」や「診断・計測」でニーズを引きだそう!


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○公開セミナー 「マーケティング脳を鍛えるトレーニング」

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◆登場人物紹介:売多真子 & 売多勝 + 松井恵利
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●密着軸の経営戦略特集!

恒例の連載シリーズは、「密着軸の経営戦略」です!

恐らくは、多くの企業、特に中小企業は密着軸を(暗黙のうちに、と
いう場合も含めて)取っていることが多いですし、また、取るべきだ
と個人的にも思います。

以下がその前提となる知識です


○戦略BASiCS:経営戦略を考える5つのポイント

 Battlefield:戦場・競合 どんな市場でどんな競合と戦う?
 Asset:独自資源     強みを競合がマネできない理由
 Strength:強み     顧客が競合でなく自社を選ぶ理由
 i
 Customer:顧客     自社が取引したい具体的顧客像
 Selling message     強みを顧客に刺さるように伝える


○3つの差別化軸:売り手が差別化する3つの方法

手軽軸:顧客の簡便性ニーズに応える
    → 競合より安い・早いで差別化する

商品軸:顧客の品質・技術ニーズに応える 
    → 競合より高品質・新技術で差別化する

密着軸:顧客の個別ニーズに応える→
    → 競合より個別ニーズ対応で差別化する



●今シリーズの登場人物3名

○売多真子:女性 20代半ば?
・イタリアンレストランチェーン「そーれ・しちりあーの」の経営者

○売多勝 :男性 30代後半?
・新進気鋭のマーケティングコンサルタント。真子の親戚で幼なじみ

○松井恵利:女性 20代半ば?
・真子の同級生。家業の果物屋を継ぎ、その経営刷新に奮闘中


◇「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
 売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
http://ow.ly/89pSR

◇「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
 上の本の続編。戦略構築から実行まで、社長の視点を物語で体感!
http://ow.ly/6s63d

◇「経営戦略虎の巻CD」(CD7枚組) 佐藤義典著
 戦略BASiCSを徹底解説。上の3人が登場する小説が特典に!
http://sandt.co.jp/keieitoranomaki.htm



●ここまでのあらすじ

高原のペンションに「山ごもり」して合宿を行った真子、勝、恵利の
3人。話し合っている最中に、ふとしたことから「密着軸」について
ペンションのテラスで勝の講義を受けることに。


連載第1回目はこちらからお読みいただけます。右側の「記事履歴」
というところから上(新しい)の方へとお進みください。

http://archive.mag2.com/0000111700/20120706015000000.html


今回は連載の10回目です。



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◆まずは、前号の復習から!
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ペンションは夕食の時間となり、他の宿泊客もダイニングに集まって
くる。こぢんまりとしたペンションのため、宿泊客も多くて数組だ。

この日は、真子たちの他には2組の家族が泊まっており、時折子供の
声が大きく響く。


真子たちは、ディスカッションに使わせてもらっていた、半テラス席
でそのまま食事をすることになった。他の家族たちのテーブルとは少
し離れており、真子たちと家族の両方にオーナーが配慮したのだろう
か。


真子:そろそろご飯だよね? 片付けようよ。

勝 :時間がもったいないから続けるぞ。

真子:えー、もうすぐご飯だよー。

恵利:真子、何のために来てるのよ? 勝さんの貴重な時間いただい
   ているんだし。

勝 :そうだそうだ。まあ恵利ちゃんと2人だったらゆっくり会話し
   ててもいいんだけどね。

真子:ふーんだ。

恵利:前回の復習からですよね。前回は、「密着軸の3ステップ」を
   見てきました。これですね。


恵利が、キレイな文字で美しくまとめられた「恵利ノート」を真子と
勝に見せる。



○密着軸の3ステップ

ステップ1)お客様の個別ニーズを知る
・個別ニーズを引き出す
・ニーズに合った提案をする


ステップ2)個別ニーズを叶える
・素材などを調達・加工する
・商品をお客様と一緒に作り上げる


ステップ3)個別ニーズを覚える
・ニーズ・購買履歴を記録する
・会社全体で共有する


真子:個別ニーズを、知って、叶えて、覚える、だよね。

勝 :個人でやる場合は、まだやりやすい。昔の魚屋さんとかさ。恵
   利ちゃんが通ってる美容院もやってるんじゃない?

恵利:あ……そういえば、この3ステップの通りです!

勝 :どんな感じ?

恵利:その美容院に行くと、まず「ニーズを引き出し」ます。「今日
   はどんな感じにしたい?」って。

勝 :そうだよな。いきなり切り始めない。真子、先に言っておくが
   これは当たり前じゃないからな。

真子:う、うん……わかってる。うちの店でも、「ニーズを引き出」
   さずにいきなりメニュー説明とかしちゃってるかも……

勝 :だろ? 営業のプレゼンって多くの場合ニーズを聞かずにいき
   なり「製品説明」から入るからな。恵利ちゃん、それで?

恵利:次は、「じゃあこんな髪型はどう?」っていう「ニーズに合っ
   た提案」をしてくれます。

勝 :例えば?

恵利:あの、実は昨日その美容院に行って来たんですけど……

勝 :そう言えば真子もそんなこと行ってたよな。偶然だな。あ、ホ
   ントだ、恵利ちゃん、髪型変わったね。

真子:あ、ひっどーい。気づいてあげなよ。恵利だって、今日のため
   にわざわざ美容院行ったのに。

恵利:ま、真子は黙ってて! あ、あの……どうですか? この髪型
   は……?

勝 :うん、よく似合ってる。


不安そうだった恵利の表情が安堵で塗り替えられる。


真子:でさ、美容院の話は、どうなったの?

恵利:あ、「夏らしくしたいです」って言ったら、雑誌とかを見せて
   くれながら「こんな感じはどう?」とか提案してくれました。

勝 :そこまでが「1)お客様の個別ニーズを知る」かな。次の
   「2)個別ニーズを叶える」はもちろん、髪を切ることかな。

恵利:はい、やっぱり途中途中で確認してくれて「商品をお客様と一
   緒に作り上げる」という感じがしました。

勝 :そうだよな。それで最後にその美容師さんが「3)個別ニーズ
   を覚える」わけだ。その店では、どうしてる?

恵利:あ、その店では「カルテ」作ってます。前回のカットとかの記
   録を残してるんですよ。

勝 :あ、そうそう。「お客様カルテ」っていうのは、密着軸の典型
   的なやり方なんだよね。「王道」って言ってもいい。

真子:あ、他の店員さんでもそのカルテを見れば、そのお客様の個別
   ニーズがわかるわけだ。

勝 :そう。まさに個別ニーズを「会社全体で共有する」仕組みの1
   つが「お客様カルテ」。

真子:私が行ってる店では、スタイリストさんが覚えてくれてる。

勝 :アタマの中で覚えててもいいけどな。1人でやってる場合は。

真子:あ、そうか。組織としてやる場合は、自分が覚えてるだけじゃ
   だめなんだ。みんなができないと。

勝 :そう。組織でやる場合は、この仕組み作りが結構大変になって
   くる。

恵利:組織として、「個別ニーズを覚える」なんて大変ですよね。う
   ちの店は家族でやってますが、それでも……

勝 :お父さんが仲の良いお客様の個別ニーズを恵利ちゃんが同時に
   把握できている必要があるね。

恵利:はい……それは結構難しいので、1つの課題ですね……

勝 :やり方は今後見ていくとして、進もう。

真子:ねー、ご飯、まだ来ないのかなあ……

勝 :うるせーよ、オマエは。水でも飲んでろ。

真子:ぶー。



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◆ステップ1)個別ニーズを知る → ニーズを引き出す
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勝 :じゃあ、まずはステップ1の、「お客様の個別ニーズを知る」
   から見ていこうか。

恵利:はい。このステップ1にも2つありますよね? 「ニーズを引
   き出す」と「ニーズに合った提案をする」の2つが。

勝 :そうそう。まずは、「ニーズを引き出す」ところから。

真子:「ニーズを引き出す」っていうのは、まずは、お客様にニーズ
   を聞けばいいんだよね?

勝 :基本的にはそうだな。真子の店は、まずは「お腹の減り具合」
   を聞くんだっけか?*

*新人OL、社長になって会社を立て直す P.197


真子:えっと……あ、そうだそうだ。何だ、ウチの店、ちゃんと「個
   別ニーズ」引き出してるじゃん。忘れてた。

恵利:何よ今さら……勝さん、でも、ニーズを聞いても、お客様が無
   自覚な場合がありませんか?

勝 :そうだね。恵利ちゃんの果物屋さんだと「果物のニーズ教えて
   ください」ってお客様に聞いても、お客様は答えられないね。

真子:た、確かに……じゃあどうするの?



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◆ステップ1−A)ニーズを引き出す:お客様情報の整備
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勝 :個別ニーズを引き出すには、どうすればいいと思う?

真子:さ、さあ?

勝 :恵利ちゃんの行ってる美容院は、どうしてるの?

恵利:えっと……「前はこんな髪型にされましたが、今回はどうされ
   ます?」って聞かれますけど……?

勝 :お、そうそう。それは、美容院の「カルテ」の情報だよね?

恵利:はい……あ! 「お客様情報」ですね! それに基づいて、ニ
   ーズを引き出してるんだ!

勝 :そう。だから「カルテ」とかの「お客様情報」が整備されてい
   るといいんだよな。

真子:確かに、「前はこうされましたけど」って言われると、今回は
   どうしようか、って考えやすいね。

勝 :お客様が、前にどうしたか、とか覚えてないことも多い。真子
   の店でも、お客様は前に何食べたかなんて覚えてないだろ?

真子:そりゃそうだよねー。そっか、それがわかればいいんだ。

勝 :それに、「お客様情報」の意外に大きい効用が、お客様と「話
   すキッカケ」が無理なく自然に作れること。

真子:確かに! いきなり世間話をお客様とするのは難しいけど「前
   にこんなご注文をされましたよね」なら話しやすい!

勝 :そうそう。BtoBでも同じだな。

恵利:そうなんですか?

勝 :そう。例えばさ、広告会社がクライアントに「年賀DM」を提
   案するとするよね?

恵利:はい。

勝 :「去年はこのようなDMにされましたが、今年はどうされます
   か?」って聞いた方が、クライアントは答えやすいよな。

真子:な、なるほど……そのあたりはBtoCもBtoBも同じか。

勝 :そう。この「密着軸の3ステップ」は、BtoCもBtoBも
   関係ない。



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◆ステップ1−B)ニーズを引き出す:診断・測定
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真子:ね、既存のお客様ならカルテがあっても、新規のお客様だと、
   情報が全然ないよね? そーゆー場合はどうするの?

勝 :だからどうすればいいと思う? 聞く前に考えろよ。

真子:はーい……どうするかなあ……? えっと……わかりません!

勝 :まずは情報を取るわけだけどさ、どうすればいい? 例えば、
   化粧品なんかだったらどうする?

真子:コスメかあ……あ、肌診断とかよくやるよね?

勝 :そうそう。「診断・測定」で個別ニーズを引き出す。ちょっと
   これ読んで見ろ。


勝が例によってパソコンをいじると、モニタを真子と恵利に見せる。


−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−

○福島県いわき市の鹿島ショッピングセンターエブリアで95年から
 営業する「コスメチックパルカオル」。


○店舗を改装し、立ち話感覚で気軽に座れるスツールを商品棚脇に置
 いた。客に「ちょっとお肌を見てみませんか?」とスタッフが声を
 かけてスツールに誘導、スタッフは隣に立って肌診断する。深く腰
 掛けないため客も「捕まった」感が薄い。


○「ふりの客を顧客化できるかどうかは、肌に触れられるかどうかに
 かかる」(社長)。改装の成果は早くも表れ、月30人程度だった
 新規会員は2倍の約60人になった。


2011/02/11, 日経MJ P.1

−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−


恵利:なるほどぉ。肌診断ができれば、お客様の「個別ニーズ」に合
   った商品が提案できますよね。

勝 :そうそう。お客様の「肌の違い」は、「個別ニーズ」の違いだ
   からな。

真子:そうかあ……コスメの「肌診断」は、密着軸の仕掛けなんだ。
   「個別ニーズ」を引き出すための。

勝 :化粧品業界では「肌診断」は当たり前だけど、他業界では全然
   当たり前じゃないから、学ぶことは多いよな。

恵利:あ! この「肌診断」は「プロダクトフロー」*で言うところ
   の「あげる商品」になってますね。

勝 :あ、そうそう。恵利ちゃん、プロダクトフローを一応復習しよう
   か。

恵利:はい。このような商品の「流れ」ですよね。


恵利が、ノートをパラパラとめくってあるページを開いて見せる。

○プロダクトフロー*

 ・あげる商品   試供品・サンプルなど
 ・売れる商品   低単価で買いやすい商品
 ・売りたい商品  高単価で利益を稼ぐ商品


真子:なるほどぉ。「診断」自体はタダだからね……

勝 :だから、立ち寄りやすい「スツール」を用意したんだろうな。

恵利:あ、確かに一貫性がありますね。

勝 :化粧品に限らず、こういう「測定・診断」をやってるところは
   あるぜ。例えばこれ。


勝が再びパソコンのモニタを真子と恵利に見せる。


−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−

○2002年、アシックスは小型の足形測定装置を開発。片足を入れ
 ると10秒後には足の長さ、足先の周囲、甲の高さ、かかとの角度
 などが測定できる。3次元で足形を測る装置は世界でも珍しく、競
 合メーカーも購入するほど。


○直営店やビジネスシューズ専門店など、装置の設置台数は約170
 台。今ではアシックスの売り物だが、当初は社内でもあまり注目さ
 れなかった。それまではクッション性、安定性などの機能の追求が
 最優先されてきたためだ。


○足形測定装置はもともとトップアスリートのデータを収集するため
 のものだったが、小型化して店頭に置くと、顧客から大好評。特に
 効果が表れたのが子供靴。一般の子供靴は千円程度からあるが、同
 社の製品は4000〜5000円。店頭で足形を測定した結果を基
 に靴選びのアドバイスを始めると売れ行きが急上昇したという。
 「情報を組み合わせれば商品の付加価値は高まる」という読みが当
 たった。


2011/05/20, 日経MJ P.6

−−−−−−−−−−−< 記事要約 >−−−−−−−−−−−−


恵利:あ、あれ? 私、この事例知ってます。な、何でだろう……?

勝 :へー、さすが恵利ちゃん。2011年6月6日の売れたま!で
   取り上げた記事だよ。よく覚えてたね。

恵利:あ、それでですね!

真子:私も売れたま!は全部読んでるはずだけど、ぜんっぜん覚えて
   ないよー、きゃははは!

勝 :きゃはは、じゃねーだろ。覚えとけよ。

恵利:「店頭で足形を測定した結果を基に靴選びのアドバイスを始め
   ると売れ行きが急上昇」ってすごいですよね。

勝 :「個別ニーズを引き出した」後だから、その後の「ニーズに合
   った提案」の説得力が高まったんだろうな。

真子:ねー、なんで「特に効果が表れたのが子供靴」だったのかな?

勝 :何でだと思う?

恵利:別に子供の方が足のバラツキが大きい、ということではないで
   すよね?

勝 :それは知らないけど、多分、子供は「この靴が自分に合う合わ
   ない」を言葉で表現できないからじゃないかな。

真子:あ、なるほど! 子供の靴は親が選ぶからだ!

恵利:そうか! 親が選ぶときに、こういう「診断データ」とかがあ
   った方が、わかりやすいんだ!

勝 :多分そう。まさに「売り方の個別化」。「売り物」が同じ靴だ
   ったとしても、診断することでより売れるようになる。

恵利:その理由が「個別ニーズを引き出している」からなんですね!

真子:足形って人によって違うもんなあ……「合う合わない」がある
   からね……

勝 :化粧品もそうだろ。肌によって「合う合わない」がある。

真子:あ……そうか! そこがコスメと靴で同じなんだ!

恵利:なるほど……「合う合わないがある商品」の場合は、「診断」
   で「個別ニーズを引き出す」と売れやすいんですね。

勝 :まさにそういうこと。合う合わないとか、人による好みの違い
   が大きい商品の場合は、「診断・計測」が役に立つ。



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◆ステップ1−B)ニーズを引き出す:会話のネタを作ろう!
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恵利:あ、あの……お言葉を返すようですが……

勝 :恵利ちゃんなら反論大歓迎。何?

真子:いちいち気に障るなあ……

恵利:うちの果物店なんかで、こういう「計測機械」を入れることは
   色々な意味でムリなんですが……

勝 :あのさ、「機械」じゃなくて、「診断」がポイントなの。別に
   機械がなくたって「診断」はできるでしょ?

真子:た、例えば?

勝 :よくあるじゃん。質問に答えていくと、矢印が分岐して、「あ
   なたにあった商品はコチラ!」みたいなフローチャート。

真子:あ、そういうのよく見るね。

勝 :例えば「最近お肌の調子が悪い」から始まって、「お通じが気
   になる」だったら、「繊維が多い果物はコレ!」って勧める。

恵利:あ、なるほど! ビタミン不足だったらイチゴ、とか、そうい
   うフローチャートを作ればいいんですね。

真子:なあるほどぉ! それ、ウチの店にも使えるじゃん!

勝 :使えるな。「肉が食べたいか、魚が食べたいか」で分岐が始ま
   って、「こってり、あっさり」とかで分岐して……

真子:「今日のアナタの運勢は「ウナギのアクアパッツア」!」とか
   っていう「お勧めメニューフローチャート」を作るんだ!

恵利:「運勢」じゃないでしょ。

真子:別にいーんだよ、そーゆーのは。そっから会話が始められれば
   いいんだからさ。

勝 :いや、マジで占いでもいいんだ。「ニーズを引き出す」ための
   材料というか、ネタになるのであれば。

恵利:あ、なるほど……そういうところから会話のとっかかりをつか
   んでもいいんですね。

勝 :診断機械にしても、フローチャートにしても、「個別ニーズを
   引き出す」ための道具だからさ。

真子:うちの店でも、できる接客スタッフは自然に「ニーズの引き出
   し」をやってるけど、慣れないスタッフもいるね。

勝 :「AさんはできるけどBさんはできない」だと、密着軸が成立
   しない。組織としてできるようにしないと。

恵利:あ、じゃあ診断機械もフローチャートも、密着軸を組織として
   できるようにするための「仕組み」なんですね。

勝 :そうそう。口ベタなスタッフでも、会話の「ネタ」があれば、
   個別ニーズを引き出す「糸口」になるからね。

恵利:勝さんはやってらっしゃらないんですか?

勝 :まさに今やってるじゃん。

真子:へ?

勝 :品質で差別化したいアナタは商品軸! ラッキーカラーは赤!
   顧客密着で行きたいアナタは密着軸! 顧客流出に注意!

真子:はあ?? 占い??

恵利:あ……3つの差別化軸が、お客様の「個別ニーズ」を引き出す
   「糸口」になってる、ということですか?

勝 :そうそう。売れたま!の読者さん、って言っても色々いらっし
   ゃるからな。

真子:あ、なるほど。

勝 :「どんな差別化をしたいですか? 品質勝負します? 顧客密
   着で行きます?」というのは会話の糸口としていいだろ?

真子:確かにそうだね……それで、そこからもっと深掘りしていけば
   いいんだもんね。

勝 :そういうこと。じゃあここで一旦まとめようか。恵利ちゃん、
   お願い。

恵利:はい!


恵利が、ノートを手際よくまとめていく。


○密着軸の3ステップ

ステップ1)お客様の個別ニーズを知る
A)個別ニーズを引き出す
B)ニーズに合った提案をする


A)ニーズを引き出す の2つの方法

1)「顧客情報」の収集・蓄積・カルテ化
2)「診断・計測」による顧客情報の収集・会話の糸口作り

→これによって、次の「提案」の説得力が高まる!



勝 :さすが恵利ちゃん。OK。素晴らしい。



そこに、ペンションのオーナーがトレーを持って現れる。

「お待たせしましたー。オードブルになります」


「きゃあああ、待ってましたああ!」と真子が叫ぶ。「うるせー!
叫ぶな! オマエは子供か」と勝が叫ぶと、「勝さんの声だってうる
さいもーん」と返す真子。

「まあオレも腹減った。まずはいただくか」


3人の前に、色鮮やかな料理がのったお皿が並ぶ。


「今日のオードブルは、サーモンの燻製と……」とオーナーが解説す
ると、「燻製のチップは何を使っているんですか?」と返す勝。「桜
を使ってみました」と答えるオーナーの後を継ぎ、「何それ、勝さん
そんなことに興味あるの?」と混ぜっ返す真子。「うるせーな、オレ
はグルメなんだよ」と答える勝に「あれ、ラーメンとコーヒーしか味
がわからねーとか自慢げにおっしゃってませんでした?」とすかさず
ツッコむ恵利。渋い顔をして珍しく二の句がつげない勝。


真子たちは仕事に来ていることはわかっているため、家族席から離れ
た静かな席を、というオーナーの配慮を無にするかのような騒がしい
3人の夕食が始まった。


(次回に続きます)



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◆今日のまとめ
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●「密着軸の3ステップ」のステップ1はお客様の個別ニーズを知る
  こと。「顧客情報」「診断・計測」で、個別ニーズを引きだそう


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▼今日の日記▲

先週末は、「戦略BASiCS2日間集中セミナー」でした。今回も
全国各地から優秀な方々がお集まりになりました。100人規模の会
社の社長さんから1人で開業される士業の方、誰もが知る大企業から
「え、これって御社が作ってるんですか?」という会社の方まで、様
々な企業の方がご参加されました。

業種が違う、意識の高い方々が集まると、そこには「化学反応」とい
うか「スパーク」が始まります。今回も、色々な刺激があったようで
す。変な話、私の講義よりは、ご参加者さん同士のディスカッション
の方が学びが大きかったりするようです。


で、世の中はオリンピック一色ですね。金メダルの数は少なそうです
が、史上初のメダル、というような競技もありますね。昨日は、卓球
女子団体でメダルが確定しましたね。卓球でメダルと今までにとった
ことがない、というのは意外でした。私も昔ちょっとだけ卓球をやっ
ていたので、TV局の動画サイトでダイジェストを見たのですが、神
がかってましたね……

後は、サッカーあたりも期待できそうですし、まだ「熱いロンドン」
が続きそうですね。



●今日のiPod Tune:猛暑を楽しもう! 夏のHot Tunes 2012


夏真っ盛り! 暑い日が続きます。

ということで、今年も始めました! 夏の歌2012!

今日はこの曲で夏を楽しみましょう!


○ふたりの愛ランド by 石川優子とチャゲ


1984年の大ヒット曲。元気なカラオケデュエットの定番ソングと
言えば、これですね!

80sらしいノリノリ、ハツラツなトーン。シンプルにして計算し尽
くされたメロディライン。美しい女性ボーカルに伸びのある男性ボー
カル。

ラジカセでビーチで聞くのにぴったりの曲♪



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Copyright 2003-2010 Yoshinori Sato

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●「経営戦略立案シナリオ」 佐藤義典 著 かんき出版
経営戦略のガイドブック:経営者は必読!
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●「売れる数字 〜組織を動かすマーケティング〜」 
 佐藤義典著 朝日新聞出版

戦略を実行に落とし込み、組織を動かそう!
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──────< 物語でわかるマーケティング >────────

●「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
 マーケティング入門:読みやすい小説
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●「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
 上の本の続編。主人公が社長になり、戦略構築から実行プロセスま
 で物語で体感!
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●「白いネコは何をくれた?」 佐藤義典著 フォレスト出版
 物語形式でわかりやすいマーケティング戦略と人生戦略
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─────< マーケティング戦略のベストセラー >──────

●「図解 実戦マーケティング戦略」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略入門:戦略はここから
 日本能率協会マネジメントセンター
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●「マーケティング戦略実行チェック99」 佐藤義典 著
 マーケティング戦略実践:実行のためのチェックリスト
 日本能率協会マネジメントセンター
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●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
 ことわざだからわかりやすい、伝えやすい、マーケティング戦略
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────────< マーケティングの思考法 >────────

●「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
 日本能率協会マネジメントセンター
 右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
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◆次号予告:密着軸の経営戦略 11
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●「密着軸の3ステップ」を続けていきます。密着軸を実行する、具
 体的な方法を考えていきましょう!


▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!

▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!


売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……

〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
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