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■売れたマーケティング、バカ売れトレーニング:売れたま!■
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.176 2012/08/02
購読者:27,522 (まぐまぐ:16,604 メルマ!:956 めろんぱん:9,962)
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■■■■__夏休み特別号:密着軸の経営戦略 9__■■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●お客様の「個別ニーズを知って、叶えて、覚える」という「密着軸
の3ステップ」で、密着軸を実行していこう!
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◆登場人物紹介:売多真子 & 売多勝 + 松井恵利
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●密着軸の経営戦略特集!
恒例の連載シリーズは、「密着軸の経営戦略」です!
恐らくは、多くの企業、特に中小企業は密着軸を(暗黙のうちに、と
いう場合も含めて)取っていることが多いですし、また、取るメリッ
トも大きい、と個人的にも思います。
以下がその前提となる知識です
○戦略BASiCS:経営戦略を考える5つのポイント
Battlefield:戦場・競合 どんな市場でどんな競合と戦う?
Asset:独自資源 強みを競合がマネできない理由
Strength:強み 顧客が競合でなく自社を選ぶ理由
i
Customer:顧客 自社が取引したい具体的顧客像
Selling message 強みを顧客に刺さるように伝える
○3つの差別化軸:売り手が差別化する3つの方法
手軽軸:顧客の簡便性ニーズに応える
→ 競合より安い・早いで差別化する
商品軸:顧客の品質・技術ニーズに応える
→ 競合より高品質・新技術で差別化する
密着軸:顧客の個別ニーズに応える→
→ 競合より個別ニーズ対応で差別化する
●今シリーズの登場人物3名
○売多真子:女性 20代半ば?
・イタリアンレストランチェーン「そーれ・しちりあーの」の経営者
○売多勝 :男性 30代後半?
・新進気鋭のマーケティングコンサルタント。真子の親戚で幼なじみ
○松井恵利:女性 20代半ば?
・真子の同級生。家業の果物屋を継ぎ、その経営刷新に奮闘中
◇「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
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◇「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
上の本の続編。戦略構築から実行まで、社長の視点を物語で体感!
http://ow.ly/6s63d
◇「経営戦略虎の巻CD」(CD7枚組) 佐藤義典著
戦略BASiCSを徹底解説。上の3人が登場する小説が特典に!
http://sandt.co.jp/keieitoranomaki.htm
●ここまでのあらすじ
高原のペンションに「山ごもり」して合宿を行った真子、勝、恵利の
3人。話し合っている最中に、ふとしたことから「密着軸」について
ペンションのテラスで勝の講義を受けることに。
連載第1回目はこちらからお読みいただけます。右側の「記事履歴」
というところから上(新しい)の方へとお進みください。
http://archive.mag2.com/0000111700/20120706015000000.html
今回は連載の9回目です。
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◆まずは、前号の復習から!
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辺りを夕闇が支配し始めた。少し前までは緑色に染まっていた窓の外
は紫色となり、その闇が刻一刻と、濃くなっていく。
真子:暗くなってきたねー。電気つけようか。
勝 :そうだな。網戸閉めておかないと、虫が入ってくるぞ。
恵利:あ、はい。私、閉めますね。
恵利が立ち上がり、網戸を閉めていく。カラカラという小気味の良い
音が部屋に響く。真子はその間に3人分のお茶を入れて戻ってくる。
「お、ありがと」と言いながら勝が受け取り、ゴクゴクと飲んだ。
勝 :じゃあ、先週の復習からな。
恵利:はい、まずは、密着軸の顧客ターゲットは「バラツキの大きい
方」ですね。標準とは少し違うニーズを持っている方です。
勝 :そうだね。「普通」でいい方は、標準品で事足りるから。いわ
ゆる「特注」ニーズということ。
真子:でもさー、「特注ニーズ」なんて世の中にそんなにないよね?
勝 :だから程度問題だろ。このペンションだって密着軸じゃん。こ
ういう、風が通る半テラス席使わせてくれるとか。
恵利:スタバのカスタマイズとかもある意味の「特注」ですよね?
勝 :そうそう。靴も、オーダーメードだけが「特注ニーズ」に答え
る方法じゃない。横幅のサイズの品揃えを広げてもいい。
恵利:あ、なるほど……お客様から見ると、「自分にピッタリ」の足
幅の靴が見つかるわけですね。
真子:あ、そっか。特注、って特殊なニーズじゃないんだね。
勝 :むしろ、完全な「標準品」の方が少ないとも言える。世の中の
ものは多かれ少なかれ「個別ニーズ」に答えてる。
真子:じゃあ密着軸なんてない、ってこと? みんな密着軸なの?
勝 :だから「程度問題」だって言ってるだろ? 恵利ちゃん、ノー
トのまとめの部分を出して。
恵利:はい。これですよね。
○密着軸は「個別適合度」を高めて差別化するため、その顧客は「個
別適合」ニーズが強い方となる
○標準から離れた「バラツキ」が大きい方は、「個別適合」ニーズが
強くなる。
真子:あ、そっか、この「個別適合ニーズ」は、あるかないか、じゃ
なくて大きい小さい、だからだ。
勝 :そういうこと。バラツキが大きいほど、ニーズが大きくなる。
あと、お客様の「決め方」ね。ほら、恵利ちゃん。
恵利:はい、これですね。
○差別化軸ごとの「お客様の意思決定」
手軽軸:
・こだわりはそんなにないので、それほどお金をかけたくない
・買いに行くのも、商品を選ぶのもラクな方がいい
・とりあえず無難なものを選ぶ
商品軸
・「良い」ものにこだわる
・最高に良い、という品質に対して厳しい目と知識を持ち、自分の目
に叶えば、お金を払っても良いと考えている
密着軸
・「私向けのもの」にこだわる
・私の(特殊な)個別リクエストに応えてほしい。そのリクエストに
応えてもらうことに対して、お金を払っても良いと考えている
勝 :真子、これでわかるだろ?
真子:あ、うん。この「こだわり具合」が、バラツキの大きさによっ
て変わる、ってことだよね?
恵利:この「バラツキ」は、「好みのバラツキ」も含めて、ですよね
勝 :そう、体型にしても好みにしても、「標準品」でガマンできな
い人がお金を払って「特注」するわけ。
真子:ということは、売り手から見れば、その「特注」にどれだけ応
えられるか、っていうのが大事なんだ……
勝 :そう!! 今回からそこに入っていく。どうやって、お客様の
密着軸ニーズに応えていくか。
真子:やっとかあ……
勝 :あのな、今までの話がないと、ここから先にいけないんだよ!
真子:はいはい、わかってますけどー。だってお腹へったあ……
勝 :オレだって減ってるんだよ!
恵利:勝さん、真子はほっといて始めましょ♪
勝 :うん、そうしようか。
真子:だ、ダメだよ! イヤなんて言ってないじゃん!
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◆密着軸の3ステップ:個別ニーズを知って、叶えて、覚える
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勝 :じゃあ、結論から行く。メモ取って。密着軸の実行は、3ステ
ップでやっていく。
恵利:は、はい。
勝 :1)お客様の個別ニーズを知る、2)個別ニーズを叶える、
3)個別ニーズを覚える、の3ステップ
恵利:ええっと……個別ニーズを、知って、叶えて、覚える、の3
ステップですね。
勝 :そうそう。じゃあこれで終わり。じゃ、あとは実行するだけ。
ガンバレ。
真子:ちょ、ちょっと、全然わかりませんってば!
勝 :冗談だ。でもまあこれが基本。個別ニーズを知って、叶えて、
覚える。単純だろ? はい、Repeat after me!
恵利:はい、個別ニーズを知って、叶えて、覚える!
勝 :真子、やる気がないんだったら出ていっていいからな。
真子:ち、違うってば、覚えられないだけだよ……
恵利:威張らないの。ほら、真子
恵利が真子にノートを差し出す。
1)お客様の個別ニーズを知る
2)個別ニーズを叶える
3)個別ニーズを覚える
真子:えっと、個別ニーズを知って、叶えて、覚える……よし、覚
えた。
勝 :そう。単純だし、当たり前って言えば当たり前。
真子:でもさー、こういうのが例によってやってみるとムズカシーっ
てヤツなんでしょ?
勝 :お、そうそう。わかってきたじゃん。
恵利:これ、密着軸だけの話ですか?
勝 :ううん。手軽軸でも商品軸でも、ある程度はやるでしょ。ただ
密着軸の会社が、他の軸の会社にこれで負けるとまずいよな。
恵利:あ、確かに。
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◆魚屋さんの「密着軸の3ステップ」
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真子:この3ステップって、例えばどういうことなんですか?
勝 :昔の魚屋さんがやってたな。
恵利:はい?
勝 :君らがまだ産まれていないころ、東京の都心部でも魚屋さんと
いうお店がまだいっぱいあった。
恵利:あ、うちの店がある商店街にはありますよ。うちの店みたいな
果物屋もあるわけですから。
勝 :あ、そうか。あーいう商店街だとまだあるな。
真子:で、その魚屋さんがどうしたの?
勝 :昔の魚屋さんはさ、店頭で「魚」を売ってたんだよ。
真子:当たり前じゃん。魚屋なんだから。
勝 :今スーパーで売ってるのは切り身のパックじゃねーかよ。
真子:え? 「魚」って鮮魚そのままって意味? そ、そうなの!?
恵利:そうだよ? 知らなかったの?
勝 :もちろん今のスーパーでも鮮魚は売ってるけど、切り身とかの
方が多いよな。
真子:私さー、子供の頃、魚は切り身で泳いでるんだと思ってたんだ
よねー、きゃははは!
勝 :まあ都会育ちだとそうなるわな。恵利ちゃんはわかるよね。オ
レ、魚屋さんやるから、恵利ちゃん、奥さんの役やって。
恵利:は、はい?? 奥さんの役ですか?
勝 :いや、だから、恵利ちゃんが結婚したらどんな奥さんになるの
かなあって……
真子:な、何よそれ! そんなのダメ!!
勝 :は? 何で? 魚屋さんと奥さんとの会話をシミュレーション
するのが何でダメなんだ?
真子:え、あ、あはははは……何だ……魚屋さんと奥さんか……
恵利:あ、そういうことですか……魚屋さんとの会話……はい、やっ
てみます。
勝 :じゃあ行くよ。恵利ちゃんが、魚屋さんの前を通りかかったと
ころからね。
恵利:は、はい……。
===============================
勝 :あ、松井さんの奥さん、こんちはー!
恵利:あ、魚屋さん、どうもー。
勝 :最近どーお? 暑いけど、元気? ご主人、へばってない?
恵利:あーそうなんですよねー。私も食欲なくってー。
勝 :じゃあ……あ、奥さんネギ買ったのね。じゃあ、アジのタタキ
なんかどう?? ドンブリにしてもおいしいよ。今が旬だし。
恵利:へー、アジのタタキ丼かあ。
勝 :うん。アジを叩いて、刻んだネギを入れて醤油と混ぜて、お好
みでおろしショウガとか味噌を入れて、ご飯に載せるだけ。
恵利:へー、それだけなんだあ!
勝 :うん、ラクだしうまいし、ヘルシー。あ、食欲ないんだっけ?
恵利:ええ、ちょっと……
勝 :じゃあ、醤油の代わりにポン酢でもいいかな。さっぱりするか
ら、食が進むよ。
恵利:うん、じゃあアジください。あ、私、魚おろせないから……
勝 :大丈夫、3枚におろしてあげるよ。
恵利:はーい、ありがとうございまーす!
===============================
勝 :うん、こんな感じかな、おつかれ。
恵利:こんなので良かったですか?
勝 :バッチリ。いやあ、恵利ちゃん、いい奥さんになりそうだ。
恵利:そ、そんな……
真子:何言ってるのよ。でさ、アジのタタキ丼って、おいしーんだ?
勝 :さあ?
真子:へ? 得意気に言ってたじゃないですか。
勝 :だからあくまでも例だってば。
真子:で、結局今の寸芸は何なんですか? オチはなかったけど……
恵利:え?真子、聞いてなかったの? さっきのコレよ。
1)お客様の個別ニーズを知る
2)個別ニーズを叶える、
3)個別ニーズを記録・共有する
真子:え?
恵利:だから、今、勝さんがやったのがこの実演じゃないの。
真子:あ、そういうこと? 今の会話って、さっきの「密着軸の3ス
テップ」を実演してたの?
勝 :なんだよ、真子が「例えばどういうことなの?」って聞いたか
ら、今やったんだろうが。
真子:そうなんだ! すっごーい!
勝 :何をやったか、見ていくぞ。まずは、「1)お客様の個別ニー
ズを知る」ところからだな。
恵利:えっと、「暑いけど、元気? ご主人、へばってない?」から
勝さん入りましたよね。いきなりアジのタタキから入らずに。
勝 :そう。「個別ニーズを知る」ためには、まずは「ニーズを引き
出す」ことが必要。それで?
恵利:私が「食欲なくって」って言って、私がネギを持ってるのを見
つけて「アジのタタキなんかどう?」って勧められました。
勝 :なんか食べやすそうだろ。ネギでさっぱりするしさ。ニーズを
引き出したら、その次は「ニーズに合った提案をする」。
恵利:はい……えっと、「ニーズを引き出して」から、「ニーズに合
った提案をする」、と……
恵利がノートに書き綴っていく。
真子:ネギを見つけたんじゃなくて持ってることにしたんでしょ。
勝 :うるせーよ、例だって言ってるだろ。ニーズを引き出してから
提案する、という順番。
真子:そりゃそうだよね。ニーズを引き出してからじゃないと提案で
きないから。
勝 :そんなこと言って、オマエの店では、ニーズも聞かずにいきな
り「今日のオススメ料理」の説明から入ってないだろうな?
真子:う……そ、それは……そうじゃないと……いいなあ……
勝 :肉食いたくないときに、最初に肉を勧められたらどう思うよ?
真子:あ、う、た、確かに……「提案」の前に「ニーズを引き出す」
のが先、か……後でうちのスタッフに確認しておかなきゃ……
勝 :で、魚屋さんが次にやったのは?
恵利:次は、「2)個別ニーズを叶える」ですよね?
勝 :個別ニーズを叶えるためには、まず「素材の調達・加工」。今
回は「アジ」は既に「調達」済みだけど……
恵利:あ、それを3枚におろしてくれる、っていう「加工」をしてく
れましたよね。
真子:あー、なるほどぉ。その後、「アジのタタキ丼」の作り方、を
恵利に教えたけど、それもだよね?
勝 :そうそう。この作り方がいいかどうかは知らないけどさ。
恵利:食欲がないならポン酢がいいよ、っていうのにも意味があるん
ですか?
勝 :さっき引き出したニーズに合わせて、「商品をお客様と一緒に
作り上げる」のがポイントだ、って言いたかったの。
真子:あ、お客様の好みに合わせて、一緒に作って行くんだ! 食欲
がない、という「個別ニーズ」なら、こうしたら、って……
勝 :そう。密着軸のお客様は「個別ニーズ」を叶えたいわけだから
「お客様と一緒に作る」のが一番手っ取り早いよな。
恵利:えっと、アジのタタキをお客様と「一緒に作る」んですか?
勝 :まあそれはムリとしても、「お勧めの食べ方」なら「お客様
と一緒に作る」ことはできるよね?
恵利:あ、はい、確かに……「お勧めの食べ方」を一緒に作る……
すると、「私のためだけの提案』になるんですね!
勝 :それそれ。「私のためだけの提案」ってお客様に思っていただ
くのがポイントだからね。
真子:オーダーメードのスーツなんかは一緒に作れないんじゃない?
勝 :だから、仮縫いとか、何回も確認すればいい。お客様が嫌がら
なければ、だけど。
恵利:あ、接触頻度を増やして、「一緒に作っている感」を出せばい
いんですね。
勝 :そうそう。
真子:じゃあこれで終わりだ!
恵利:まだよ。「3)個別ニーズを覚える」っていうのが残ってます
よね、勝さん?
勝 :その通り。魚屋さんは、今のやりとりを覚えとかないとな。
真子:ええ!? 覚えるの!?
勝 :覚えられなかったらノートにメモしておいてもいいけどな。
恵利:覚えて、それで、どうするんですか?
勝 :恵利ちゃんが次に通りかかったときに、「奥さん、こないだの
アジのタタキどうだった?」って声かけるんだよ。
真子:あー、なるほどぉ! そこでPDSサイクルを回すんだ!
勝 :そうそう。それで、恵利ちゃんが「おいしかった」って言って
くれれば、また同じような味のものを勧めるし……
真子:なんか微妙だった、なら、レシピの提案内容を変えるとか、だ
よね?
恵利:そこまでしてくれたら、私のこと覚えてくれてて嬉しいです。
真子:まさに密着軸だねー。
勝 :そう。個人経営の魚屋さんはこれでいいが、会社が「覚える」
には、このデータを「記録」して「共有」する必要があるな。
真子:あ、確かに。誰か1人が覚えているだけじゃダメだもんね。そ
の人がいなかったら、対応できないわけだから。
勝 :そういうこと。データを「記録」して、それを誰でも引き出せ
るようにする「共有」の仕組みが必要になる。
恵利:お客様のデータベースなどを作らないといけないですね。何を
記録すればいいんですか?
勝 :「購買履歴」はもちろん、「ニーズ」を記録する。このときは
「食欲がなくてさっぱりしたもの」が欲しかった、とかさ。
恵利:えっと、それも次回に使うんですか?
勝 :そうそう。食欲でてきた? とか、っていう質問を投げかけら
れるでしょ?
恵利:なあるほどぉ。私のことを知ってくれてるんだ、っていう感じ
になりますね。
勝 :そのためにも、密着軸は、データベースマーケティングとの相
性がいいというか、データベースが必要になることが多いね。
恵利:結構大変ですね……さっきの魚屋さんとのやりとりの中に、こ
れだけのステップが入ってるなんて……
真子:うん……やりとりとしては一瞬なのにね。
勝 :そうなんだよ。昔の魚屋さんとかは、こういうのを自然にやっ
てたんだろうけど、実はすごいことだよな。
真子:そうなんだあ……すごいなあ……
勝 :何だ、他人事みたいに。真子が経営してるイタリアンの店でも
やってるはずだぞ。
真子:ここまで意識してやってるかどうかはわからないなぁ……今度
確認してみる……なんか不安になってきた、あははは。
勝 :じゃあ恵利ちゃん、例によってここまでをまとめてみてね。
恵利:はい、もうできてます。
恵利が美しくまとめあげたノートを真子と勝に見せる。
1)お客様の個別ニーズを知る
・ニーズを引き出す
・ニーズに合った提案をする
2)個別ニーズを叶える
・素材などを調達・加工する
・商品をお客様と一緒に作り上げる
3)個別ニーズを覚える
・ニーズ・購買履歴を記録する
・会社全体で共有する
勝 :うん、バッチリ。さっすがあ!
真子:うーん、何か、単純なような、複雑なような……
勝 :少なくともそれほどカンタンではないな。
真子:そうだよねー。だからこそカンタンにマネできないわけだし。
勝 :そういうこと。競合ができないことをやらないと差別化できな
いからな。
恵利:そうですよね……頑張らないと……
恵利のノートを、真子と恵利が神妙に見つめ、一瞬の静寂が訪れた。
そのときに、ペンションのオーナーのパタパタというスリッパの音が
近づいてくるのが聞こえた。
「ご飯だ!」真子が叫び、飛び上がるように立ち上がった。
「はーい、お待たせしましたあ。夕食の準備ができましたのでねー。
このお席で召し上がりますか?」
オーナーの問いかけに、真子が間髪を入れず答える。
「あ、はい、すぐ片付けます。ほら、勝さん! 片付けようよ」
「何だよ、オマエは……いきなり元気になりやがって」
「だってお腹すいたんだもーん!」
落ち着きなさいよ、と真子をなだめる恵利。
勝は「ふう」とため息を1つつき、散らかし放題のテーブルの上を片
付け始めた。
(次号に続きます!)
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◆今日のまとめ
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●密着軸の実行は、お客様の個別ニーズを知って、叶えて、覚える、
という3ステップ。漏らさずに実行していこう!
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▼今日の日記▲
ドラクエXがついに発売されたようですね。発売日が延期されること
が多かったような記憶がありますので、「予定通り発売されたんだ」
という感じです。
また、お約束の行列ができたようですね。私も20年くらい前に、並
んだ記憶があります……
9までのドラクエは全てリアルタイムでやっているのですが、今回は
ハードがWiiで、私が持っていない、というのと、オンラインゲー
ム(らしい)ですので、まだちょっと様子見ですね
……と言いつつ、買ってしまいそうな気もします。やっぱりやってみ
たいですね。
お買いになられた方、いらっしゃったら、ぜひ教えていただければと
思います。
今週末は、戦略BASiCS2日間集中セミナーです。お気をつけて
いらしてくださいね。東京は暑いですが、「熱い」2日間にしていき
ましょう!
●今日のiPod Tune:猛暑を楽しもう! 夏のHot Tunes 2012
関東もいきなり梅雨明けかと思ったら、いきなり猛暑!
ということで、今年も始めました! 夏の歌2012!
今日も「熱い」曲です!
○Summer of '69 by Bryan Adams
1985年、全米5位まで上ったヒット曲。当時の大ヒットアルバム
Recklessからのシングルカットですね。個人的には今でもこのアルバ
ムは名盤だと思っています。
当時、この曲が大好きですごく良く聞いていました。今でも結構歌詞
を覚えています。ドラム一発とギターで始まるメチャクチャかっこい
い出だし。80sRock!という感じです。
タイトルが1985年当時に1969年を振り返る、という意味なの
であれば、16年前の「若かりし頃の夏」を「あのときが最高の季節
だった」と振り返っている、ということになります。
夏が思い出深い季節になるのは、万国共通なんですね!
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◆次号予告:密着軸の経営戦略 10
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しょう! いよいよ(ようやく?)佳境に入ります!
▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!
▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!
▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!
▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!
売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……
〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
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「インド人を右に」とレスするたびに右に動いていくスレ
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1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30(土) 14:05:17.71
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11 年前
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