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2012年8月3日金曜日

売れたま!特別編Vol.176 2012/08/02 夏休み特別号:密着軸の経営戦略 9

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━特別編Vol.176 2012/08/02
購読者:27,522 (まぐまぐ:16,604 メルマ!:956 めろんぱん:9,962)

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 ■■■■__夏休み特別号:密着軸の経営戦略 9__■■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●お客様の「個別ニーズを知って、叶えて、覚える」という「密着軸
 の3ステップ」で、密着軸を実行していこう!


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◆登場人物紹介:売多真子 & 売多勝 + 松井恵利
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●密着軸の経営戦略特集!

恒例の連載シリーズは、「密着軸の経営戦略」です!

恐らくは、多くの企業、特に中小企業は密着軸を(暗黙のうちに、と
いう場合も含めて)取っていることが多いですし、また、取るメリッ
トも大きい、と個人的にも思います。

以下がその前提となる知識です


○戦略BASiCS:経営戦略を考える5つのポイント

 Battlefield:戦場・競合 どんな市場でどんな競合と戦う?
 Asset:独自資源     強みを競合がマネできない理由
 Strength:強み     顧客が競合でなく自社を選ぶ理由
 i
 Customer:顧客     自社が取引したい具体的顧客像
 Selling message     強みを顧客に刺さるように伝える


○3つの差別化軸:売り手が差別化する3つの方法

手軽軸:顧客の簡便性ニーズに応える
    → 競合より安い・早いで差別化する

商品軸:顧客の品質・技術ニーズに応える 
    → 競合より高品質・新技術で差別化する

密着軸:顧客の個別ニーズに応える→
    → 競合より個別ニーズ対応で差別化する



●今シリーズの登場人物3名

○売多真子:女性 20代半ば?
・イタリアンレストランチェーン「そーれ・しちりあーの」の経営者

○売多勝 :男性 30代後半?
・新進気鋭のマーケティングコンサルタント。真子の親戚で幼なじみ

○松井恵利:女性 20代半ば?
・真子の同級生。家業の果物屋を継ぎ、その経営刷新に奮闘中


◇「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」 佐藤義典著
 売多真子が勝の助力を得てイタリアンレストランの新企画に奮闘!
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◇「新人OL、社長になって会社を立て直す」 佐藤義典著
 上の本の続編。戦略構築から実行まで、社長の視点を物語で体感!
http://ow.ly/6s63d

◇「経営戦略虎の巻CD」(CD7枚組) 佐藤義典著
 戦略BASiCSを徹底解説。上の3人が登場する小説が特典に!
http://sandt.co.jp/keieitoranomaki.htm



●ここまでのあらすじ

高原のペンションに「山ごもり」して合宿を行った真子、勝、恵利の
3人。話し合っている最中に、ふとしたことから「密着軸」について
ペンションのテラスで勝の講義を受けることに。


連載第1回目はこちらからお読みいただけます。右側の「記事履歴」
というところから上(新しい)の方へとお進みください。

http://archive.mag2.com/0000111700/20120706015000000.html


今回は連載の9回目です。



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◆まずは、前号の復習から!
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辺りを夕闇が支配し始めた。少し前までは緑色に染まっていた窓の外
は紫色となり、その闇が刻一刻と、濃くなっていく。


真子:暗くなってきたねー。電気つけようか。

勝 :そうだな。網戸閉めておかないと、虫が入ってくるぞ。

恵利:あ、はい。私、閉めますね。


恵利が立ち上がり、網戸を閉めていく。カラカラという小気味の良い
音が部屋に響く。真子はその間に3人分のお茶を入れて戻ってくる。
「お、ありがと」と言いながら勝が受け取り、ゴクゴクと飲んだ。


勝 :じゃあ、先週の復習からな。

恵利:はい、まずは、密着軸の顧客ターゲットは「バラツキの大きい
   方」ですね。標準とは少し違うニーズを持っている方です。

勝 :そうだね。「普通」でいい方は、標準品で事足りるから。いわ
   ゆる「特注」ニーズということ。

真子:でもさー、「特注ニーズ」なんて世の中にそんなにないよね?

勝 :だから程度問題だろ。このペンションだって密着軸じゃん。こ
   ういう、風が通る半テラス席使わせてくれるとか。

恵利:スタバのカスタマイズとかもある意味の「特注」ですよね?

勝 :そうそう。靴も、オーダーメードだけが「特注ニーズ」に答え
   る方法じゃない。横幅のサイズの品揃えを広げてもいい。

恵利:あ、なるほど……お客様から見ると、「自分にピッタリ」の足
   幅の靴が見つかるわけですね。

真子:あ、そっか。特注、って特殊なニーズじゃないんだね。

勝 :むしろ、完全な「標準品」の方が少ないとも言える。世の中の
   ものは多かれ少なかれ「個別ニーズ」に答えてる。

真子:じゃあ密着軸なんてない、ってこと? みんな密着軸なの?

勝 :だから「程度問題」だって言ってるだろ? 恵利ちゃん、ノー
   トのまとめの部分を出して。

恵利:はい。これですよね。


○密着軸は「個別適合度」を高めて差別化するため、その顧客は「個
 別適合」ニーズが強い方となる

○標準から離れた「バラツキ」が大きい方は、「個別適合」ニーズが
 強くなる。


真子:あ、そっか、この「個別適合ニーズ」は、あるかないか、じゃ
   なくて大きい小さい、だからだ。

勝 :そういうこと。バラツキが大きいほど、ニーズが大きくなる。
   あと、お客様の「決め方」ね。ほら、恵利ちゃん。

恵利:はい、これですね。



○差別化軸ごとの「お客様の意思決定」

手軽軸:
・こだわりはそんなにないので、それほどお金をかけたくない
・買いに行くのも、商品を選ぶのもラクな方がいい
・とりあえず無難なものを選ぶ

商品軸
・「良い」ものにこだわる
・最高に良い、という品質に対して厳しい目と知識を持ち、自分の目
 に叶えば、お金を払っても良いと考えている

密着軸
・「私向けのもの」にこだわる
・私の(特殊な)個別リクエストに応えてほしい。そのリクエストに
 応えてもらうことに対して、お金を払っても良いと考えている



勝 :真子、これでわかるだろ?

真子:あ、うん。この「こだわり具合」が、バラツキの大きさによっ
   て変わる、ってことだよね?

恵利:この「バラツキ」は、「好みのバラツキ」も含めて、ですよね

勝 :そう、体型にしても好みにしても、「標準品」でガマンできな
   い人がお金を払って「特注」するわけ。

真子:ということは、売り手から見れば、その「特注」にどれだけ応
   えられるか、っていうのが大事なんだ……

勝 :そう!! 今回からそこに入っていく。どうやって、お客様の
   密着軸ニーズに応えていくか。

真子:やっとかあ……

勝 :あのな、今までの話がないと、ここから先にいけないんだよ!

真子:はいはい、わかってますけどー。だってお腹へったあ……

勝 :オレだって減ってるんだよ!

恵利:勝さん、真子はほっといて始めましょ♪

勝 :うん、そうしようか。

真子:だ、ダメだよ! イヤなんて言ってないじゃん!



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◆密着軸の3ステップ:個別ニーズを知って、叶えて、覚える
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勝 :じゃあ、結論から行く。メモ取って。密着軸の実行は、3ステ
   ップでやっていく。

恵利:は、はい。

勝 :1)お客様の個別ニーズを知る、2)個別ニーズを叶える、
   3)個別ニーズを覚える、の3ステップ

恵利:ええっと……個別ニーズを、知って、叶えて、覚える、の3
   ステップですね。

勝 :そうそう。じゃあこれで終わり。じゃ、あとは実行するだけ。
   ガンバレ。

真子:ちょ、ちょっと、全然わかりませんってば!

勝 :冗談だ。でもまあこれが基本。個別ニーズを知って、叶えて、
   覚える。単純だろ? はい、Repeat after me!

恵利:はい、個別ニーズを知って、叶えて、覚える!

勝 :真子、やる気がないんだったら出ていっていいからな。

真子:ち、違うってば、覚えられないだけだよ……

恵利:威張らないの。ほら、真子


恵利が真子にノートを差し出す。

1)お客様の個別ニーズを知る
2)個別ニーズを叶える
3)個別ニーズを覚える


真子:えっと、個別ニーズを知って、叶えて、覚える……よし、覚
   えた。

勝 :そう。単純だし、当たり前って言えば当たり前。

真子:でもさー、こういうのが例によってやってみるとムズカシーっ
   てヤツなんでしょ?

勝 :お、そうそう。わかってきたじゃん。

恵利:これ、密着軸だけの話ですか?

勝 :ううん。手軽軸でも商品軸でも、ある程度はやるでしょ。ただ
   密着軸の会社が、他の軸の会社にこれで負けるとまずいよな。

恵利:あ、確かに。



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◆魚屋さんの「密着軸の3ステップ」
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真子:この3ステップって、例えばどういうことなんですか?

勝 :昔の魚屋さんがやってたな。

恵利:はい?

勝 :君らがまだ産まれていないころ、東京の都心部でも魚屋さんと
   いうお店がまだいっぱいあった。

恵利:あ、うちの店がある商店街にはありますよ。うちの店みたいな
   果物屋もあるわけですから。

勝 :あ、そうか。あーいう商店街だとまだあるな。

真子:で、その魚屋さんがどうしたの?

勝 :昔の魚屋さんはさ、店頭で「魚」を売ってたんだよ。

真子:当たり前じゃん。魚屋なんだから。

勝 :今スーパーで売ってるのは切り身のパックじゃねーかよ。

真子:え? 「魚」って鮮魚そのままって意味? そ、そうなの!?

恵利:そうだよ? 知らなかったの?

勝 :もちろん今のスーパーでも鮮魚は売ってるけど、切り身とかの
   方が多いよな。

真子:私さー、子供の頃、魚は切り身で泳いでるんだと思ってたんだ
   よねー、きゃははは!

勝 :まあ都会育ちだとそうなるわな。恵利ちゃんはわかるよね。オ
   レ、魚屋さんやるから、恵利ちゃん、奥さんの役やって。

恵利:は、はい?? 奥さんの役ですか?

勝 :いや、だから、恵利ちゃんが結婚したらどんな奥さんになるの
   かなあって……

真子:な、何よそれ! そんなのダメ!!

勝 :は? 何で? 魚屋さんと奥さんとの会話をシミュレーション
   するのが何でダメなんだ?

真子:え、あ、あはははは……何だ……魚屋さんと奥さんか……

恵利:あ、そういうことですか……魚屋さんとの会話……はい、やっ
   てみます。

勝 :じゃあ行くよ。恵利ちゃんが、魚屋さんの前を通りかかったと
   ころからね。

恵利:は、はい……。


===============================

勝 :あ、松井さんの奥さん、こんちはー!

恵利:あ、魚屋さん、どうもー。

勝 :最近どーお? 暑いけど、元気? ご主人、へばってない?

恵利:あーそうなんですよねー。私も食欲なくってー。

勝 :じゃあ……あ、奥さんネギ買ったのね。じゃあ、アジのタタキ
   なんかどう?? ドンブリにしてもおいしいよ。今が旬だし。

恵利:へー、アジのタタキ丼かあ。

勝 :うん。アジを叩いて、刻んだネギを入れて醤油と混ぜて、お好
   みでおろしショウガとか味噌を入れて、ご飯に載せるだけ。

恵利:へー、それだけなんだあ!

勝 :うん、ラクだしうまいし、ヘルシー。あ、食欲ないんだっけ?

恵利:ええ、ちょっと……

勝 :じゃあ、醤油の代わりにポン酢でもいいかな。さっぱりするか
   ら、食が進むよ。

恵利:うん、じゃあアジください。あ、私、魚おろせないから……

勝 :大丈夫、3枚におろしてあげるよ。

恵利:はーい、ありがとうございまーす!

===============================


勝 :うん、こんな感じかな、おつかれ。

恵利:こんなので良かったですか?

勝 :バッチリ。いやあ、恵利ちゃん、いい奥さんになりそうだ。

恵利:そ、そんな……

真子:何言ってるのよ。でさ、アジのタタキ丼って、おいしーんだ?

勝 :さあ?

真子:へ? 得意気に言ってたじゃないですか。

勝 :だからあくまでも例だってば。

真子:で、結局今の寸芸は何なんですか? オチはなかったけど……

恵利:え?真子、聞いてなかったの? さっきのコレよ。


1)お客様の個別ニーズを知る
2)個別ニーズを叶える、
3)個別ニーズを記録・共有する


真子:え?

恵利:だから、今、勝さんがやったのがこの実演じゃないの。

真子:あ、そういうこと? 今の会話って、さっきの「密着軸の3ス
   テップ」を実演してたの?

勝 :なんだよ、真子が「例えばどういうことなの?」って聞いたか
   ら、今やったんだろうが。

真子:そうなんだ! すっごーい!

勝 :何をやったか、見ていくぞ。まずは、「1)お客様の個別ニー
   ズを知る」ところからだな。

恵利:えっと、「暑いけど、元気? ご主人、へばってない?」から
   勝さん入りましたよね。いきなりアジのタタキから入らずに。

勝 :そう。「個別ニーズを知る」ためには、まずは「ニーズを引き
   出す」ことが必要。それで?

恵利:私が「食欲なくって」って言って、私がネギを持ってるのを見
   つけて「アジのタタキなんかどう?」って勧められました。

勝 :なんか食べやすそうだろ。ネギでさっぱりするしさ。ニーズを
   引き出したら、その次は「ニーズに合った提案をする」。

恵利:はい……えっと、「ニーズを引き出して」から、「ニーズに合
   った提案をする」、と……


恵利がノートに書き綴っていく。


真子:ネギを見つけたんじゃなくて持ってることにしたんでしょ。

勝 :うるせーよ、例だって言ってるだろ。ニーズを引き出してから
   提案する、という順番。

真子:そりゃそうだよね。ニーズを引き出してからじゃないと提案で
   きないから。

勝 :そんなこと言って、オマエの店では、ニーズも聞かずにいきな
   り「今日のオススメ料理」の説明から入ってないだろうな?

真子:う……そ、それは……そうじゃないと……いいなあ……

勝 :肉食いたくないときに、最初に肉を勧められたらどう思うよ?

真子:あ、う、た、確かに……「提案」の前に「ニーズを引き出す」
   のが先、か……後でうちのスタッフに確認しておかなきゃ……

勝 :で、魚屋さんが次にやったのは?

恵利:次は、「2)個別ニーズを叶える」ですよね?

勝 :個別ニーズを叶えるためには、まず「素材の調達・加工」。今
   回は「アジ」は既に「調達」済みだけど……

恵利:あ、それを3枚におろしてくれる、っていう「加工」をしてく
   れましたよね。

真子:あー、なるほどぉ。その後、「アジのタタキ丼」の作り方、を
   恵利に教えたけど、それもだよね?

勝 :そうそう。この作り方がいいかどうかは知らないけどさ。

恵利:食欲がないならポン酢がいいよ、っていうのにも意味があるん
   ですか?

勝 :さっき引き出したニーズに合わせて、「商品をお客様と一緒に
   作り上げる」のがポイントだ、って言いたかったの。

真子:あ、お客様の好みに合わせて、一緒に作って行くんだ! 食欲
   がない、という「個別ニーズ」なら、こうしたら、って……

勝 :そう。密着軸のお客様は「個別ニーズ」を叶えたいわけだから
   「お客様と一緒に作る」のが一番手っ取り早いよな。

恵利:えっと、アジのタタキをお客様と「一緒に作る」んですか?

勝 :まあそれはムリとしても、「お勧めの食べ方」なら「お客様
   と一緒に作る」ことはできるよね?

恵利:あ、はい、確かに……「お勧めの食べ方」を一緒に作る……
   すると、「私のためだけの提案』になるんですね!

勝 :それそれ。「私のためだけの提案」ってお客様に思っていただ
   くのがポイントだからね。

真子:オーダーメードのスーツなんかは一緒に作れないんじゃない?

勝 :だから、仮縫いとか、何回も確認すればいい。お客様が嫌がら
   なければ、だけど。

恵利:あ、接触頻度を増やして、「一緒に作っている感」を出せばい
   いんですね。

勝 :そうそう。

真子:じゃあこれで終わりだ!

恵利:まだよ。「3)個別ニーズを覚える」っていうのが残ってます
   よね、勝さん?

勝 :その通り。魚屋さんは、今のやりとりを覚えとかないとな。

真子:ええ!? 覚えるの!?

勝 :覚えられなかったらノートにメモしておいてもいいけどな。

恵利:覚えて、それで、どうするんですか?

勝 :恵利ちゃんが次に通りかかったときに、「奥さん、こないだの
   アジのタタキどうだった?」って声かけるんだよ。

真子:あー、なるほどぉ! そこでPDSサイクルを回すんだ!

勝 :そうそう。それで、恵利ちゃんが「おいしかった」って言って
   くれれば、また同じような味のものを勧めるし……

真子:なんか微妙だった、なら、レシピの提案内容を変えるとか、だ
   よね?

恵利:そこまでしてくれたら、私のこと覚えてくれてて嬉しいです。

真子:まさに密着軸だねー。

勝 :そう。個人経営の魚屋さんはこれでいいが、会社が「覚える」
   には、このデータを「記録」して「共有」する必要があるな。

真子:あ、確かに。誰か1人が覚えているだけじゃダメだもんね。そ
   の人がいなかったら、対応できないわけだから。

勝 :そういうこと。データを「記録」して、それを誰でも引き出せ
   るようにする「共有」の仕組みが必要になる。

恵利:お客様のデータベースなどを作らないといけないですね。何を
   記録すればいいんですか?

勝 :「購買履歴」はもちろん、「ニーズ」を記録する。このときは
   「食欲がなくてさっぱりしたもの」が欲しかった、とかさ。

恵利:えっと、それも次回に使うんですか?

勝 :そうそう。食欲でてきた? とか、っていう質問を投げかけら
   れるでしょ?

恵利:なあるほどぉ。私のことを知ってくれてるんだ、っていう感じ
   になりますね。

勝 :そのためにも、密着軸は、データベースマーケティングとの相
   性がいいというか、データベースが必要になることが多いね。

恵利:結構大変ですね……さっきの魚屋さんとのやりとりの中に、こ
   れだけのステップが入ってるなんて……

真子:うん……やりとりとしては一瞬なのにね。

勝 :そうなんだよ。昔の魚屋さんとかは、こういうのを自然にやっ
   てたんだろうけど、実はすごいことだよな。

真子:そうなんだあ……すごいなあ……

勝 :何だ、他人事みたいに。真子が経営してるイタリアンの店でも
   やってるはずだぞ。

真子:ここまで意識してやってるかどうかはわからないなぁ……今度
   確認してみる……なんか不安になってきた、あははは。

勝 :じゃあ恵利ちゃん、例によってここまでをまとめてみてね。

恵利:はい、もうできてます。


恵利が美しくまとめあげたノートを真子と勝に見せる。


1)お客様の個別ニーズを知る
・ニーズを引き出す
・ニーズに合った提案をする


2)個別ニーズを叶える
・素材などを調達・加工する
・商品をお客様と一緒に作り上げる


3)個別ニーズを覚える
・ニーズ・購買履歴を記録する
・会社全体で共有する


勝 :うん、バッチリ。さっすがあ!

真子:うーん、何か、単純なような、複雑なような……

勝 :少なくともそれほどカンタンではないな。

真子:そうだよねー。だからこそカンタンにマネできないわけだし。

勝 :そういうこと。競合ができないことをやらないと差別化できな
   いからな。

恵利:そうですよね……頑張らないと……



恵利のノートを、真子と恵利が神妙に見つめ、一瞬の静寂が訪れた。

そのときに、ペンションのオーナーのパタパタというスリッパの音が
近づいてくるのが聞こえた。


「ご飯だ!」真子が叫び、飛び上がるように立ち上がった。

「はーい、お待たせしましたあ。夕食の準備ができましたのでねー。
このお席で召し上がりますか?」

オーナーの問いかけに、真子が間髪を入れず答える。

「あ、はい、すぐ片付けます。ほら、勝さん! 片付けようよ」

「何だよ、オマエは……いきなり元気になりやがって」

「だってお腹すいたんだもーん!」

落ち着きなさいよ、と真子をなだめる恵利。

勝は「ふう」とため息を1つつき、散らかし放題のテーブルの上を片
付け始めた。


(次号に続きます!)



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◆今日のまとめ
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●密着軸の実行は、お客様の個別ニーズを知って、叶えて、覚える、
 という3ステップ。漏らさずに実行していこう!


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▼今日の日記▲

ドラクエXがついに発売されたようですね。発売日が延期されること
が多かったような記憶がありますので、「予定通り発売されたんだ」
という感じです。

また、お約束の行列ができたようですね。私も20年くらい前に、並
んだ記憶があります……

9までのドラクエは全てリアルタイムでやっているのですが、今回は
ハードがWiiで、私が持っていない、というのと、オンラインゲー
ム(らしい)ですので、まだちょっと様子見ですね

……と言いつつ、買ってしまいそうな気もします。やっぱりやってみ
たいですね。

お買いになられた方、いらっしゃったら、ぜひ教えていただければと
思います。


今週末は、戦略BASiCS2日間集中セミナーです。お気をつけて
いらしてくださいね。東京は暑いですが、「熱い」2日間にしていき
ましょう!



●今日のiPod Tune:猛暑を楽しもう! 夏のHot Tunes 2012

関東もいきなり梅雨明けかと思ったら、いきなり猛暑!

ということで、今年も始めました! 夏の歌2012!

今日も「熱い」曲です!


○Summer of '69 by Bryan Adams


1985年、全米5位まで上ったヒット曲。当時の大ヒットアルバム
Recklessからのシングルカットですね。個人的には今でもこのアルバ
ムは名盤だと思っています。

当時、この曲が大好きですごく良く聞いていました。今でも結構歌詞
を覚えています。ドラム一発とギターで始まるメチャクチャかっこい
い出だし。80sRock!という感じです。

タイトルが1985年当時に1969年を振り返る、という意味なの
であれば、16年前の「若かりし頃の夏」を「あのときが最高の季節
だった」と振り返っている、ということになります。

夏が思い出深い季節になるのは、万国共通なんですね!



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●「実戦マーケティング思考」 佐藤義典著
 日本能率協会マネジメントセンター
 右脳と左脳をフル活用、売れる思考・発想ができるようになる!
http://www.sandt.co.jp/shiko.htm



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◆次号予告:密着軸の経営戦略 10
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●次回から、「密着軸の3ステップ」をさらに突っ込んで見ていきま
 しょう! いよいよ(ようやく?)佳境に入ります!


▼飲み会に、数部印刷して行こう。グチ大会より、前向きの話を!

▼彼氏・彼女との、知的な話題づくりに!

▼ご無沙汰していたあの人との会話のきっかけに、転送しよう!

▼お客様訪問の際のおみやげに、プリントアウトして渡そう!


売れたま!があなたのお仕事に少しでも役立ちますように……

〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
◎売れたマーケティング バカ売れトレーニング:売れたま
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