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2016年11月8日火曜日

売れたま!商品開発編Vol.032 2016/11/07 日清ヘルシーオフ:商品開発にもBASiCSを

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━━━━━━━━━━━━商品開発編Vol.032(累計1375) 2016/11/07
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 ■■__日清ヘルシーオフ:商品開発にもBASiCSを__■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●戦略BASiCSをうまく使えば、商品開発の「セオリー」通りの
 考え方が実現できる。商品開発もBASiCSで!


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努力しても成果が出ない、という場合は、戦略の間違いかも?

戦略の失敗は、戦術では取り返せません。

まずはBASiCSがしっかりできているかどうか、きちんとチェッ
クしてみませんか?

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◆日清オイリオの揚げ物用油「日清ヘルシーオフ」
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●「油を吸わない」揚げ物用油「日清ヘルシーオフ」

揚げ物は、油で揚げますから、衣が油を吸います。

となると、カロリーが気になりませんか?

その衣の「吸油量」を減らす食用油が発売され、人気になっているよ
うです。


−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−

◇『日清オイリオグループが2015年8月に発売した揚げ物用の食
 用油「日清ヘルシーオフ」が好調だ。天ぷらなどを作る際に吸う油
 の量を最大で20%カットし、カロリーを抑えるという業界初のコ
 ンセプトを実現したのが特徴。早くも同社で食用油の売り上げトッ
 プであるキャノーラ油に次ぐエース商品に成長しつつある』


◇『目を付けたのは、今や市場をけん引している健康志向の油。既に
 特定保健用食品(トクホ)では、体脂肪を付けにくい中鎖脂肪酸を
 含む「ヘルシーリセッタ」が出されていた。ただ、600グラムで
 500〜600円台と、家庭で大量に使ってもらうには高価格帯。
 新たに、コストを抑えつつ吸う油の量を減らすコンセプトの商品開
 発が始まった』


◇『技術陣が研究に着手し始めたのは12年ごろ。実験を繰り返す
 中、乳化剤を入れると吸う油の量が少なくなることに気付いた』
 『ヘルシーリセッタより製法も単純で、実現すれば低コストの健康
 オイルが実現するとみられた。しかし、そこからが苦労の連続。コ
 ンセプトの「20%カット」には容易に近づけず、乳化剤の種類や
 量などを何百通りと試した』


◇『何とか理想の乳化剤の種類や量の組み合わせにたどり着いたのが
 14年夏ごろ。ただ開発した時点で終わりではなく、今度は今まで
 にない油の特徴をどう伝えるかに長谷川さんは頭を悩ませた』『8
 〜9カ月かけて、技術陣とも相談してネーミングなどを練った。3
 回の消費者調査で反応を見たりし「ヘルシーオフ」の名前と「揚げ
 物のカロリーが気になる方に」というキャッチコピーに落ち着く。
 そこでも実際に吸油量が減るとカロリーが減ると言えるのか、開発
 陣に実証するよう要請し「看板に偽りなし」を確かめた』


以下、記事からの引用部分は『』で括ります

2016/08/03 日経MJ P.18

−−−−−−−−−−−< 記事引用 >−−−−−−−−−−−−


「日清ヘルシーオフ」は、

「天ぷらなどの揚げ物の吸油量を最大20%抑制したはじめての食用
油」(日清オイリオ HP*)
http://www.nisshin-oillio.com/healthyoff/

とのことです。


発売から1年で、次代を担う『エース商品』になる、というのはすご
いですね。


今回はどうやってこの商品が開発されたのか、そのプロセスをこの記
事から推測し、学びを得ていきましょう!



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◆商品開発もBASiCSで!
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●復習:戦略BASiCS マーケティング戦略を考える5つの要素

経営戦略・マーケティング戦略で考えるべきポイントは以下の5つ。

Battlefield:戦場・競合 →自社商品の代替選択肢
Asset:独自資源     →強みを競合がマネできない理由
Strength:強み     →お客様が競合ではなく自社を選ぶ理由
i
Customer:顧客     →強みを重視する相思相愛になれる人
Selling message:メッセージ→強みの伝え方

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●商品開発もBASiCSで!

戦略BASiCSは、要は「お客様に選ばれる(=売れる)事業・商
品・サービスを作る」ための手法です。

ですから、商品開発にもBASiCS自体はそのまま使えます。


ただ、商品開発の場合は

「まだ存在していない、新たな価値をもたらす何か」

を作る作業ですので、既存の商品・サービスを改良する場合とは、考
え方が違うことがあります。

商品開発のときのBASiCSの使い方を紹介するのが、「商品開発
編」です。



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◆「日清ヘルシーオフ」の開発ステップ
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この「日清ヘルシーオフ」の開発プロセスを記事から推測していきま
しょう。


●1)新しい「使い方」=「戦場」を考える:揚げ物用の油

まず、最初に「B:戦場・競合」を考えました。既存商品の「ヘルシ
ーリセッタ」と共存する(共食いを防ぐ)必要があったからです。

「ヘルシーリセッタ」はトクホで、

「体脂肪が気になる方に」「体に脂肪がつきにくい」*

という商品です。

*ヘルシーリセッタHP
http://www.taisibo-navi.com/products/resetta.html


そこで「ヘルシーリセッタ」と違う「使い方」を考えることにしまし
た。「使い方」が変われば「戦場・競合」が変わるからです。


ヘルシーリセッタの主な「使い方」は、恐らく「炒める」などでしょ
う。

『600グラムで500〜600円台と、家庭で大量に使ってもらう
 には高価格帯』

ということですから、揚げ物には使いにくいです。


そこで、「日清ヘルシーオフ」は「使い方」を「揚げ物」に絞りまし
た。

それは「ヘルシーリセッタ」との自社内競合を防ぐ一方、「揚げ物で
は油を大量に使うため、低価格にする」という新たな課題が産まれま
した。



●2)その「戦場」での「強み」を作る:ヘルシーで低価格

「揚げ物用の油」と「使い方」(=戦場)を絞れば「作るべき強み」
も明確になります。

ここでは2つ。

まずは、「ヘルシー」であること。

揚げ物で気になるのは「衣が油を吸うこと」です。吸油量を減らせれ
ば、魅力的な商品になると考えたのでしょう。


もう1つは、「低価格」です。「揚げ物用の油」では油を大量に使う
ために、低価格にする必要がありました。

ヘルシーリセッタとどのくらい価格差があるのか、アマゾンで小売価
格を比べてみました。


ヘルシーリセッタ 600g 523円  1gあたり 0.87円
ヘルシーオフ   900g 432円  1gあたり 0.48円


「日清ヘルシーオフ」は、「ヘルシーリセッタ」よりもグラム単価で
45%安く、約半額となっています。


そして、

『新たに、コストを抑えつつ吸う油の量を減らすコンセプトの商品開
 発が始まった』

と、新商品の方向性が決まりました。



●3)「独自資源」を作る:組み合わせのノウハウ

新商品の方向性は決まったものの、その時点では実現できるかどうか
はまだわかりません。

そこで研究開発を始めます。記事中のこの部分です。


『技術陣が研究に着手し始めたのは12年ごろ。実験を繰り返す
 中、乳化剤を入れると吸う油の量が少なくなることに気付いた』

『コンセプトの「20%カット」には容易に近づけず、乳化剤の種類
 や量などを何百通りと試した』
 
『何とか理想の乳化剤の種類や量の組み合わせにたどり着いたのが
 14年夏ごろ』


2年間苦心して開発を続け、ようやく製品化のメドが立ちました。


この『乳化剤の種類や量の組み合わせ』がヒミツのノウハウなのでし
ょう。

そこにたどり着くのに2年間かかっていますから、他社が同じ商品を
作ろうとしても、2年間かかる、ということになります。



●4)「メッセージ」を作る:「揚げ物のカロリーが気になる方に」

技術的に製品化が可能になっても、すぐに製品を出さず、「メッセー
ジ」を練りました。


『8〜9カ月かけて、技術陣とも相談してネーミングなどを練った。
 3回の消費者調査で反応を見たりし「ヘルシーオフ」の名前と「揚
 げ物のカロリーが気になる方に」というキャッチコピーに落ち着
 く』


ネーミングの消費者調査をかけるなど、かなり周到にメッセージを考
えていったわけですね。


緻密な開発プロセスをたどってきたことがわかります。



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◆「B:戦場・競合」から入る商品開発
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●Bから入る、というセオリー通りのプロセス

今回の「日清ヘルシーオフ」の開発プロセスをまとめると、以下のよ
うになるかと思います。


1)新しい「使い方」=「B:戦場」を考える:揚げ物用の油

2)その「戦場」での「S:強み」を作る:ヘルシーで低価格

3)「A:独自資源」を作る:組み合わせのノウハウ

4)「Sm:メッセージ」:「揚げ物のカロリーが気になる方に」


ここまら学ぶべきポイントは2つあります。


まずは、BASiCS全体がカバー出来るプロセスになっている、と
いうこと。

商品開発のプロセスにおいて、「ここでB:戦場・競合を決め、ここ
でA:独自資源を作り……」と、モレなく考えられていることが重要
になります。

上記では「C:顧客」が明示されていませんが、「B:戦場・競合」
を考える時に、決まっていると思います。

「揚げ物用の油」ということで、

「揚げ物を料理する頻度の高い家庭の主婦・主夫層」

となります。


もう1つは「B:戦場・競合」から入っている、ということ。

既存商品でBASiCSを考えるときは「C:顧客」と「S:強み」
から入るのがセオリーです。

既存顧客がいるのであれば、「お客様にヒアリングする」というのが
最高のやり方の1つです。

新商品だと、それができません。そもそも「顧客を誰にすべきかわか
らない」という出発点から始まります。

となると、「どこから持ってくるか」という「B:戦場・競合」の定
義から始めるのが経験上考えやすいのです。


「B:戦場・競合」から入るという、商品開発のプロセスとしてはセ
オリー通りのアプローチを取ったのです。



●商品開発の時間軸

ここで、今回の商品開発の時間軸を見ておきましょう。

こういう具体的な情報はなかなか外に出てこないので有り難いです。

 2012 コンセプト決定、開発スタート
 2014 技術的な実現性が見え、メッセージを考え始める
 2015 8月上市

技術開発(A:独自資源作り)に2年、メッセージに1年弱、計3年
ですね。

1ヶ月で開発できるものだと、1ヶ月で競合にマネされます。2年が
かりの難しいモノであれば、競合にもマネしにくいですね。

そして、メッセージに8〜9ヶ月かけた、というのも見逃せないポイ
ントです。

『8〜9カ月かけて、技術陣とも相談してネーミングなどを練った。
 3回の消費者調査で反応を見たりし』

という部分です。「できてすぐ売る」ではなく「刺さるメッセージ」
を消費者調査も含めてじっくり考えた、というのは大事です。

技術開発に2年かけるくらいの大事な商品であれば、ネーミングなど
も含む「メッセージ」も、調査をかけるなど、きっちりじっくりやっ
た方が良いと思います。

全体として、「やるべきことをきちんとやっている」という印象を受
けます。



●プロセスを踏んだ結果として、一貫性のある強いBASiCSに!

ここまでのプロセスをきちんと踏むことで、一貫性のある強い戦略が
実現されることとなりました。

BASiCSをざっとまとめてみます。


B:戦場・競合 揚げ物用の油(自社競合を避ける)

A:独自資源  乳化剤の種類や量などのノウハウ

S:強み  揚げ物用なので低コスト&ヘルシー

C:顧客  揚げ物を食べたいが、油・カロリーが気になる方

Sm:メッセージ  「揚げ物のカロリーが気になる方に」


「揚げ物」という「B:戦場・競合」の選択を軸にした上で、全体に
見事な一貫性があることがわかります。

この「一貫性」がヒットの要因の1つだったのではないでしょうか。



●「失敗要因」はBASiCSで取り除ける

残念ながら、いくらきちんと考えてやっても、売れない、というとき
はあります。

「売れる・売れないは時の運」

ということもあります。やってみないとわからない部分が多くあるか
らです。

それでも、BASiCSを考えることで、「これはダメだ」という
「机上の失敗」は事前に排除しやすくなります。


商品開発のときにも、BASiCSをきちんと考えていくことで成功
確率が高められるのです。


セオリー通りの商品開発プロセスがわかりやすい好事例でした。



★今日の「アタマに問いかけるべき適切な質問」

商品開発でも、戦略BASiCSを使って成功確率を高める努力をし
ていますか?


ぜひお考えになってみてください!


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◆今日のまとめ
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●戦略BASiCSをうまく使えば、商品開発の「セオリー」通りの
 考え方が実現できる。商品開発もBASiCSで!


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ご購読ありがとうございました! ご活躍をお祈りしております。


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▼今日の日記▲

今日は熊本入り。羽田から飛行機を使いました。

で、羽田空港に行くときに、山手線の逆回りに乗ってしまいました。
いつも使う方に乗って、3駅……「アレ? 逆じゃん」って。

ということで、急遽ルート変更。かなり早めに出ていましたし、どち
らからでも行けることはわかっていましたから特に不安はなく……

むしろ、予定より早く着いてしまいました!

結果オーライではありましたが、「ヒヤリハット」の話(ハインリッ
ヒの法則)からすると、「ヒヤリ」ですね……

無意識に行動すると、こうなってしまいますので、常に「これでいい
んだっけ?」という意識的な行動をしないといけないですね。



●今日のiPod Tune:Pete Burnsを惜しむ歌

突如飛び込んで来た、Pete Burnsの訃報。

ようやく、ポツポツと取り上げられてきた感じでしょうか。80sを
引っ張ってきたバンドの1つ、Dead or Aliveのリードボーカル。と
いうか、Pete=Dead or Aliveという感じでした。

彼を偲ぶ特集です。

今日は3曲目。今日の曲は……


○Brand New Lover


3枚目のアルバム、Mad, Bad, and Dangerous to Knowからのシング
ルカット。このアルバム、世界的にはちょっとアレでしたが、日本で
大ヒット。私もCD買いました。

その1曲目がこの曲。USダンスチャートでも大人気に。

「耽美」なイメージがあるバンドですが、この曲はノリが素直なシン
セポップで、まさに80sユーロビート!という感じ! あまりクセ
がなく、誰にでも聴きやすいと思います。

この曲を久しぶりに聴いて以来、アタマの中でずっとこの曲のイント
ロがグルグル回っています♪ そういえば、30年前もそうだったな
あ……



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●「ことわざで鍛えるマーケティング脳」 佐藤義典著 毎コミ新書
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